その後のレオンハルトの行動は迅速だった。すぐに4人とミモザを引き連れてそれぞれの亜鉛 サプリ おすすめ家へと向かマカ と はい事情を説明し、主犯が自らの弟であることをアベルの取り巻きの家族へと謝罪した。そしてまだミモザへの謝罪は行われておらず、反省の意思が低いことを伝え、よくよく指導してくれるように、といい含めた。
それぞれのご家族は二度目だdhaったこともあり、恐縮した様子でミモザに謝ってくれた。
そうして1人ずつ家へと帰していき、最後はアベルを残すのみとなった。ミモザとレオンハルトとアベルというなんとも微妙な組み合わせで家を訪ねる。
アベルの家とミモザの家はなんとお隣同士である。隣といっても田舎あるあるでものすごく遠く、畑と牧場を挟んだ上での隣である。まぁ、それでも隣は隣である。
ミモザの家は村の一亜鉛 サプリ番西端にある。その手前がアベルの家である。さわやかな空色の屋根にクリーム色の壁。庭には家庭菜園と色とりどりの花が咲き誇る美しい家である。庭の手入れがよくされているのが見ただけでわかる。
レオンハルトは終始渋っていたアベルの腕を掴んで引きずるようにしながら、その家の扉をノックした。
「はーい、どなた?」
凛とした明るい声がする。おそらく彼女はアベルが学校から帰るのを待っていたのだろう。エプロンをつけて昼食の香りをただよわせながら玄関に出た。
明るい橙色の髪マカに理知的な青い瞳。髪を編み込んでお団子に結い上げた美しい女性だ。
その普段は明るい表情が、来客のただならぬ様子を見て曇る。
「レオンくんとミモザちゃん?一体どうしたのかしら?」
「カーラさん、このような形になってしまって申し訳ない。大事な話があってきました」
そう丁寧な口調で告げると、レオンハルトはアベルのことを地面に跪かせるようにカーラの前へと投げ出した。
「アベル……?あんた……」
「母さん、違うんだ、俺……っ」
「アベルがミモザくんのことを傷つけました」
その言葉にハッと彼女はレオンハルトのことを見上げ、ついでミモザの顔の傷を見て取ったのか表情を歪めた。
「友人3人とともクロムの効能に彼女を取り囲んで石を投げつけ、髪を引きちぎるという暴行を加えたようです」
「……なっ!?」
「違う!」
思わず反射で叫んだのであろうアベルを、レオンハルトとカーラ、計3つの目が見下ろす。
「何が違うんだ、言ってみろ」
「お、俺は、別に!暴行だなんて……、そんなつもりじゃ……」
その視線に怯んだのかアベルはもごもごとそれより先の言葉は続けられず言いごもる。
レオンハルトの深いため息に、アベルは身を震わせた。
「じゃあどんなつもりだったと言うんだ。まさかその行為で彼女が喜ぶと思っていたわけでもあるまい」
「それは、だって…っ」
「だって、なんだ?お前は明確な悪意を持って、彼女に危害を加えた。どんな言い訳を並べ立てたとて、その事実は揺るぎない」
アベルは顔を真っ赤に染め、耐えきれなかったように叫んだ。
「それはこいつが生意気……っ!」
「もうやめて……っ!!」
しかしそれは別の悲dha epa dha鳴じみた声に遮られた。見るとカーラは苦しむように頭を抱え、俯いている。その目からはぽたり、ぽたりと涙がこぼれ落ちていた。
「もう、やめて……」
「母さん……」
「やっぱり血は争えないのかしら」
その目は失望感に満ち、遠くを見つめている。
「それを言われては俺の立つ瀬もありませんが」
苦笑しながら言われた言葉にカーラは弾かれたように顔を上げる。
「ごめんね、レオンくん。そんなつもりじゃ……」
「いえ、わかっていますよ。大丈夫です」
どうやら2人にしかわからない話があるらしい。カーラは気を取り直すようにアベルを見ると、その前に膝をつき目線を合わせた。
「アベル、ねぇ、アベル。なんでこんなことをするの。前回の時あんた反省したって言ってたじゃない。嘘だったの?」
「それは……」
「あんた母さんにも先生にもミモザちゃんにも嘘をついたの」
「嘘をついてるのはミモザだ。俺は窓ガラスは割ってない!」
「あんた、何言ってるの」
アベルの決死の叫びに、しかしカーラは目を見張った。
「誰が窓ガラスの話なんてしたの。ミモザちゃんに怪我をさせた話をしてるのよ亜鉛 サプリ」
「……っ」
アベルは唇を噛みしめる。カーラはそんな息子の様子に力無く首を振った。
「アベル、わたしはね、もしあなたがミモザちゃんと同じ目に合わされたらそれをした相手が憎いわ。死んでしまえばいいとさえ思うかもしれない」
「……っ!?」
「あんたのしたことはそういう行為よ。そういう最低なことなの。わからないの?」
カーラはアベルの肩を掴む。その瞳には焦燥があった。
「ねぇ、わからないの?アベル」
「……母さん」
「わたしはもう、あなたがわからないわ。一生懸命育ててきたつもりだった。愛情を持って、真っ直ぐ生きてくれたらと。でももうわからないのアベル。どうしたらいいのかがわからない。あんた、一体どうしたらまともになってくれるの?」
「か、母さん!」
「カーラさん」
そっと、レオンハルトはカーラの背中を慰めるようにさすった。そして残酷に言い放つ。
「アベルはおそらく病気です」
「お、俺!病気なんかじゃ……」
「普通の健常の人間は理由もなく暴力を振るったりなどしない。それは明らかに異常な行為だよ、アベル。
風邪を引いたら医者にかかるように、今回の件も専門家を頼るべきだと俺は思います。カウンセリングを受けさせましょう。更生のために。いい先生を探します」
「……レオンくん」
不安げに見上げるカーラに、レオンハルト亜鉛の効果は力強く頷いてみせた。
「アベル自身の将来もですが、これ以上被害者を出さないことを第一に考えるべきでしょう」
「それは、入院させるってことかしら?」
アベルは息を呑む。しかしレオンハルトは首を横に振った。
「それは最終手段です。まずは通院でいいでしょう。それでどうしようもないなら入院させるしかありませんが。学校側に協力を仰いでアベルが暴力的な衝動を抑えられない様子がないかどうかなど見張ってもらいましょう。こう言ったことはちゃんと環境を整えて徹底的にやらないといけない」
そこでアベルへと向き直る。
「アベル。お前もいいね。お前に治療の意思がなければどうにもならん。苦しいとは思うが俺も協力を惜しむつもりはない」
「俺、病気じゃないよ」
アベルは途方にくれたように言った。自分の意思に反して進んでいく話についていけないのだ。
しかしレオンハルトはその言葉を言い逃れと捉えたのか追撃の手を緩めなかった。
「ではお前は正常な状態にも関わらずなんの罪悪感もなしに暴力を振るったということになる。そちらの方がよほど悪い。そうなのか?アベル。お前は生まれつき暴力的な行為が好きな人間なのか?」
問われてアベルは力無く首を横に振った。もう何も言えない様子だった。それに対してレオンハルトはやっと態度を軟化し優しく微笑み、なぐさめるように肩を叩く。
「まずは自分が異常な行動を取っていること、それを自覚するところから始めよう。大丈夫。必ず良dhaくなる。そうすれば心の底から申し訳ないことをしたとちゃんと反省し、謝罪することができるようになるだろう」
アベルは操られた人形のように無気力に首を縦に振った。レオンハルトもそれに同意するようにしっかりと頷き返す。
「頑張っていこうな」
そして立ち上がるとミモザの隣へと移動し「じゃあカーラさん。俺はミモザくんを家に送ってご家族に謝罪をしてきますので」と告げた。
それにカーラは焦ったようにエプロンを外しながら「わたしとアベルも一緒に……」と身を乗り出す。
しかしその言葉をレオンハルトは手で制し、首を横に振ることで断った。
「今のアベルの様子では謝罪などしても上べだけになってしまうでしょう。それでは先方にかえって失礼だ。まずは俺1人で謝罪に伺います。カーラさんはアベルのことをよろしくお願いします」
「……ごめんね、迷惑をかけちゃって」
「なにを言うんです。家族でしょう。俺はそのつもりでしたが違いましたか?」
カーラはその言葉を噛みしめるように俯いた。
「いいえ、違わないわ、ありがとう」
そしてミモザへと向き合う。その瞳はもういつもの理知的な光が戻ってきていた。
「ミモザちゃん、本当にごめんなさい。きちんとアベルのことは更生させます。あなたにも近づかせないようにするからね。本当にごめんなさい」
あまりにとんとん拍子に進む急転直下の状況に、ほぼ空気と化して流れを見ていただけだったミモザは首をぶんぶんと横に振ることしかできなかった。
。マカ サプリ亜鉛の効果ゴーヤ チャンプルーマカ サプリアントシアニンの効果
月份: 2025 年 4 月
「君の服を買ゴーヤ
「君の服を買いに行くぞ」
仕事亜鉛から帰ってすぐにレオンハルトはそう告げた。
dha喧騒の中、2人は街を歩いていた。レオンハルトは行き先がもう決まっているのかすたすたと迷いなく歩く。
(服かー)
先日だめにしてしまったが、着替えくらいゴーヤは当然持っている。別にそんなに焦らなくても、と呑気に構えるミモザに「ここだ」とレオンハルトは足を止めた。
「……え?」
明らかにミモザのような人物は門前払いされそうな高級そうな店がそこにはそびえ立っていた。
「いらっしゃいませ、ガードナー様」
「服を用途に合わせて一式揃えてもらいたい」
「かしこまりました。こちらのお部屋アントシアニンの効果へどうぞ」
なんと個室である。通された部屋は普通に広く、そこに次々と服が運び込まれて来る。部屋にはソファとテーブルがあり紅茶を出されたが、ミモザはそこに座ることもできず立ったままぽかんとその光景を眺めていた。
「ミモザ、座れ」
「れ、れれれレオン様、これは……」
「服を見に行くと言っただろう」
その不思議そうな表情を見ているとなんだかおかしいのは驚くミモザのような気がしてきてしまう。
(いや、そんなわけない)
ぶんぶんと気を取り直すようにミモザは首を振る。
「レオン様、僕お金ないでdhaす」
昨日もらった3万ガルドはあるが、それ以外はほとんど母親に送ってしまっている。
「俺が出すから問題ない」
「も、問題です。出していただく理由が……っ」
言いかけるミモザをレオンハルトは手で制した。
「これは必要経費だ」
「必要経費」
「ああ」
彼は頷くとソファへと深く腰掛け優雅に紅茶を口に運んだ。
「昨日のように服がダメになることなどこれからざらにある。騎士団では制服は当然支給される。うちの屋敷の使用人の制服も同様だ。それと同じで君を管理する立場にある俺が服を支給するのは当然のことだ」
「な、なるほど」
確かに仕事を任されるたびに服をダメにしていてはミモザはそのうち破産してしまう。しかし、
「高そうなお店でゴーヤすよ」
部屋に並べられた調度品を見て恐ろしくなる。どうせ汚れるなら汚しても罪悪感を抱かない価格帯の品にして欲しいものだ。
「安物だといざという時に足を引っ張られるからな」
「足を引っ張られる?」
「環境に適応できないとそれだけで体力を消費する。例えばいつも俺が着ている教会騎士団の制服はチソウ鳥の羽でおられた布でできている」
「はぁ」
よくわかっていないミモザにレオンハルトはちらりと目線だけを流す。
「丈夫で軽い。羽に空気を含んでいるから寒い地域では暖かいし、暑い地域では通気性がいいので蒸れない。そして高級品だ」
「なるほどー」
つまり戦うのに快適な服装を用意したいということのようだ。
「ここはチソウ鳥でできた服を取り扱っている。安い店ではまず見ないからな」
「ええと、ありがとうございます」
そわそわと相変わらず店の高級感に落ち着かない気持ちになりつつ、とりあえず事情に納得がゴーヤ チャンプルーいったのでミモザもレオンハルトの隣へと腰を落ち着ける。
「それにしてもチソウ鳥?って初めて聞きました。そんな鳥どこに住んでるんですかね」
「過酷な環境にいることが多い鳥だからな。外敵の少ない環境に適応するために優秀な羽毛に進化したんだろう」
なるほどー、と頷いて紅茶を一口飲む。高級そうな味がする。
「ちなみに名前の由来は過酷な環境に踏み入って餓死しかけた人間がその鳥を見つけて『ごちそうだ!』と叫んだというエピソードだ。焼いて食うと美味い」
「か、可哀想」
まさかの由来だった。
「羽はむしられるわ食べられるわで散々ですね」
「まぁな」
「ガードナー様、準備が整いました」
くだらない話を特に笑いもせず続ける師弟に、店の人間が営業スマイルで声をかけた。
「どれがいい?」と尋ねられた。店員もにこにこと笑って「お嬢様は大変お綺麗ですのできっとどれもお似合いですよ」とお世辞を言ってくる。
「えーと、どれがいいですかね」
人間選択肢が多過ぎると決められなくなるものらしい。というか田舎のおばあちゃんがやっているような服屋にしか行ったことのないミモザにはあまりにもハードル亜鉛 サプリが高すぎた。
「好みはないのか」
「好み……」
随分と久しぶりな気がする質問にミモザは戸惑う。
(可愛いのがいいと言ったら呆れられるだろうか)
もごもごとしているミモザに「こちらなどはどうでしょう?」と店員のお姉さんが助け舟を出してくれた。勧められたのはシックだが所々にワンポイントでレースや花の飾りのついた可愛らしい白いワンピースだ。
これまでそういった女の子らしい服に飢えていたミモザの目はそのワンピースに釘付けになる。
「ええと」
それが欲しい、と口にする前に
「いや、それはダメだな」
とレオンハルトが却下した。ガンッとミモザは頭に重しが乗ったような感覚に陥る。
「だ、だめですか」
思わず声が震える。そんなミモザの様子にレオンハルトは怪訝そうな顔をしつつ「ああ、ダメだ」と断定した。
「スカートだと戦う時に動きずらい。ズボンに合わせられるものがいい」
ミモザの目が点になる。
(そりゃそうだ)
そりゃあ、そうだ。戦うのに都合が良い服を探しに来たのだ。
「えっと」
「そうだな、装飾がどこかに引っかかると困るから装飾のなるべくないものでシルエットの隠れる物にしてくれ」
「シルエットですか?」
首を傾げるミモザにレオンハルトは頷く。
「内側に防具を付けているだろう。それがわからないような物の方がいい」
「確かに」クロムの効能
ミモザも頷く。レオンハルトも同様だが、服の内側にミモザは薄い鎖かたびらのような防具を付けている。一応肩や胸あたりにもプレートのような物を仕込んでいる。それが隠れる服の方が見た目的にいいだろう。
「それに君のその鍛えた体格も隠した方が都合がいいしな」
「え?」
「君の容姿は相手の油断を誘える」
にやり、と悪どい微笑みを浮かべる。しばし惚けた後、その意味を理解してミモザも同調するようににんまりと笑った。
「できるだけ油断を誘えるような子どもっぽい服装にしましょうか」
「そうだな、まぁ年齢相応に可愛らしい服がいい。なるべく争いごととは無縁そうな印象を与えたい」
2人してふふふ、と笑い合う。
「相手を油断させて不意打ちできるような?」
「相手が君をあなどって手を抜くような」
勝負が始まる前から自分に有利な状況を整えるのは大事なことだよ、とレオンハルトは囁いた。
結局服はチソウ鳥の羽毛で編まれた少し丈が長くゆったりとした白いパーカーに黒のショートパンツを合わせたスタイルになった。黒いタイツも今まで同様に履くが、所々に針金のように細い金属を織り込んだ物になっていて強度が増している。
ミモザは新しい服を着てくるりと一回転する。トップスはシンプルなデザインだが裾と袖口に黒い糸で花の刺繍が施されており可愛らしい印象を与えるものだった。ズボンなのは相変わらずだが、いままでのただただシンプルで男の子っぽいだけだった服装とは雲泥の差である。
マカ サプリ「よく似合っている」
レオンハルトは頷く。それに「えへへ」と笑ってから照れを誤魔化すようにミモザは「そういえば」と呟いた。
「なんだ?」
「えっと、変な質問なんですが、このパーカーとかっていつからあるんですかね」
そう、実はこの世界、服だけでなくちょくちょく現代にあるような代物を見かけるのである。
レオンハルトは「なぜそんなことを気にするのか」という顔をしつつ「さあ」と首を捻った。
「パーカーでしたら確か今から150年ほど前にできたと言われていたはずですよ」
その時控えていた店員さんが答えをくれた。
「150年前?」
「ええ、当時有名な発明家であられたハナコ様が作り出した物です」
(花子……)
これはおそらく
(異世界チートだ)
「これもそうなのか」
「はい。ハナコ様は機械から食品に至るまでありとあらゆる物を発明致しておりましたから」
「あのー、花子様って……」
共通認識のように会話が進むのに、恐る恐るミモザは尋ねる。それにレオンハルトは意外そうな顔をした。
「知らないのか?」
「えっと、すみません」
「歴史的な偉人だ。彼女により100年近く文明は進んだと言われている」
(でしょうねー)
どうりで生活しやすいはずである。
「フルネームはハナコ・タナカと言う」
「う、嘘っぽい」
『田中花子』はさすがにパーカーの売られている時代には少ない名前だろう。いや、それとも本当に本名だろうか。
「うん?」
「あ、えっと、なんでもないです」
「興味があるなら国立博物館に展示品があったと思うが……」
「あ、大丈夫です。全然、全然」
「そうか?」と怪訝そうにしつつレオンハルトは紙袋を渡してきた。思わず受け取ってからミモザは首を傾げる。
「これは?」
「うん?気に入ったんだサプリメント マカろう?」
それだけを言うとレオンハルトはさっさと店外へと向かってしまった。どうやらもう会計は済んでいるらしい。紙袋の中身を見ると、それは最初に店員に勧められた白いワンピースだった。
「レオン様!」
慌ててミモザは追いかける。
「これっ!」
「仕事以外の時に着ればいい」
「えっと」
言葉に詰まる。結局なんと言ったらいいかが分からず、紙袋を抱きしめるとミモザはなんとか「ありがとうございます」と声を捻り出した。
「ええと、その……」
けれど他にも何か言うべきことがある気がして、店を出たところで立ち止まる。レオンハルトは怪訝そうに振り返った。
「ミモザ?」
「あ、あのっ!」
「聖騎士様でいらっしゃいますか?」
しかしそれは言葉にならずに終わった。突然現れた声に遮られたからだ。
振り返るとそこには上品そうな身なりをした少し年嵩の女性が立っていた。彼女はブラウンの髪をしっかりとお団子に結い上げて黒い服に身を包んでいる。
まるで喪服のようだ。
「いかにもそうだが、貴方は?」
「私はジェーンと申します」
その名前を知っている気がしてミモザは首を傾げる。しばし考えて、それをどこで『見たのか』を思い出して唖然とした。
「少しお時間をよろしいでしょうか」
彼女は試練の塔被害者遺族の会の話の時に見た、試練の塔を封鎖して欲しいというコラムを書いた張本人であった。
。ゴーヤ チャンプルー亜鉛の効果亜鉛の効果亜鉛の効果
試練の塔dha epa
試練の塔、第1の塔はチュートリアルの塔でdha epaある。
敵は一切出現しない。ただマップの見方や試練の塔の説亜鉛 サプリ明のためにあるような塔である。そのためその試練の内容は至極簡単で子どもでもできるお使いのようなものだ。あちらこちらに隠されているはずの鍵を探して塔の最上部にある扉に挿す、ただそれだけであマカる。ただし鍵は3種類ある。そう、金銀銅の3種類だ。そのうちのどの鍵を見つけられるかにより、祝福の精度が変わるのである。そして今、ミモザはーー
「銅しか見つからない……」
大量の銅の鍵を抱えて途方に暮れていた。
もはや疲れ果てて天を見上げる。そこにはやはり塔の中にも関わらず綺麗な青空が広がっクロムていた。
「クソゲーめ……」
「チー…」
チロが慰めるようにミモザの頬を撫でる。ミモザはその優しさに「うっ」と泣き崩れた。
あたり一面には色とりどりの花畑が広がっていた。蝶々や蜂がぶんぶんと飛び交っている。その中で1人地面にへばりつくミモザ。
(悲しい……)
いや、わかってはいたのだ。そうなるかも知れないと予測はしていた。
しかし予測していたのと実際に起こるのとではやはり重みが違うのだ。
通常確かに銅より銀の方が見つかりにくい。金など見つけられる人間は稀である。しか亜鉛 サプリ おすすめし銀は一般的に見つかる部類のはずなのだ。
周囲を見渡せば銀の祝福を持っている人は普通にいる。特に騎士を目指すわけではない人でも普通に持っている。
故にゲームのノーマルモードは銀で、ハードモードは銅なのだ。
「あの…、大丈夫ですか?どこかお怪我でも……」
「いやちょっと世界に絶望してただけなので大丈夫です」
「それは大丈夫なんでしょうか……」
親切に声をかけてくれた人物はそこまで言って、「あれ?」と声を上げた。
「ミモザさん?」
「はい?」
名前を呼ばれて顔を上げる。
「……何やってるんですか?本当に」
「僕の中の金髪美少女は地べたにへばりついたりしないんだけどな」と神妙な顔で呟くのは王国騎士団団長の弟子、ジーンであった。亜鉛
「ミモザさん、まだ塔の攻略されてなかったんですね」
「そういうジーン様もですか?」
「ええ、僕は学園を先日やっと卒業しましたので」
「なるほど」
やっと地面にへばりつくのをやめてその場に座るとミモザは頷いた。それは実によくある話だ。
塔の攻略は13歳以上ならば可能だが、本当に13歳を迎えてすぐに攻略に向かうのはだいたいが学校にもあまり通えないような貧困層である。なぜなら塔の攻略いかんによって就職先や給料が大きく左右されるからだ。
一応この国ではどこに住んでいても学校に通い、基礎教育を受けられるように整備が進んできているが、無料というわけではない。国から補助金が出ているため安価ではあるが、それでも少しのお金でも切り詰めたい場合や子どもに働いてもらいたい状況の場合は通えない者も多い。レオンハルトなどはこの例である。
対してミモザやジーンなど学校に通えている者は学校卒業後、つまり15歳に塔の攻略を始めることになる。これは当然、学校を卒業して亜鉛 の サプリいた方が卒業していない場合よりもその後の進路に幅が広がるためである。
(学園に通ってたならなおさらだろうな)
学園といった場合に指し示すものは王都にある国立中央学園のことである。これは貴族の子息、子女が通う学校でミモザが通っていた学校など比較にもならないくらいのエリート校であり、そして国立にも関わらず非常に高い学費の必要な学校である。一応最近は特待生制度などができ、平民や貧しい人も優秀であれば通えるようになってきたらしいがまだまだ貴族のエリートが通う学校としての印象が強い。ここを卒業すれば国立中央学院という更なる叡智を学べる研究機関への道が開かれるのだ。当然、いつでも誰でも挑める塔の攻略などより学園の卒業のほうが優先されるだろう。王国騎士団団長の弟子な時点でエリートだとは思っていたが、彼はミモザの想像以上の超エリートだったようだ。
「僕も先日学校を卒業したので今日から攻略開始です」
「へぇ」
ジーンは意外そうに相槌を打った。おおかたレオンハルトの弟子なので学校に行っていないと思われていたのだろう。
(まぁ、間違いではない)
厳密には通っていない。不登校なdhaので。
「そういえば……、先ほどミモザさんにそっくりの金髪美少女に出会ったのですが、お知り合いでしょうか?」
「えっ」
のんびりと続けられた言葉にぎょっとする。ミモザにそっくりな人間などこの世に1人しかいない。
「確か名前はステラさんとおっしゃっていました」
「ど、どこで会ったんですか!?」
「え?ええと、王都の大通りで……、お買い物をされていたようで」
その言葉にほっと胸を撫で下ろす。どうやらまだ塔に来ているわけではないらしい。なるべく鉢合わせたくないのだ。
「ええと、彼女は……」
「あ、僕の姉です。双子で」
「ああ、通りで。あんまりにそっくりなのでミモザさんかと思って間違えて声をかけてしまったのです」
続けられた言葉にミモザは「ん?」と首を傾げる。どこかで聞いたことのあるような話だ。
王都、知り合いと間違えて声をかける、エリート。
「攻略対象……?」
「はい?」
思わず行儀悪く指差したミモザに、ジーンは不思議そうな顔をする。その顔をまじまじと見つめるが、正直まったく思い出せない。
清潔に切り揃えられたサラサラの黒い髪に優しげな黒い瞳。爽やかな笑顔で立つその姿は、
(まぁ、イケメンといえばイケメン)
攻略対象であっても不思議ではない。
ゲームの攻略対象はレオンハルトと王子の隠しキャラ2人を除くと全亜鉛 の サプリ部で5人。全員所属する組織が違うのが特徴である。幼馴染のアベル、被害者遺族の会のマシュー、そしてあと出てきていないのは保護研究会と学園のエリート、大人枠の学院の教師である。
特徴としてはジーンは十分に当てはまっている。ここまで共通項があれば彼が攻略対象とみて間違いないだろう。
(全く思い出せないけど!)
まぁ、全ての記憶があるわけではないから気がつかなくてもしょうがない、と誰ともなしに心の中で言い訳していると、ジーンははぁ、と残念そうにため息をついた。
「ミモザさんって金髪美少女なのに、らしからぬ性格をしてますよね」
「最初に会った時も思ってましたがジーン様のその金髪美少女に対する歪んだ価値観は一体なんなんでしょう?」
こてん、と首を傾げるミモザにジーンがむっ、と眉を寄せる。
「歪んでませんよ」
「歪んでますよ」
「美少女は巨乳なんて言わないし地べたに這いつくばらないんですよ、普通は」
「誰だって巨乳って言っていいし地べたに這いつくばる権利くらいありますよ?」
そのまましばらく2人は見つめ合った。ややして「ああ」とミモザは納得したように頷く。
「もしかしてジーン様、あまり女性と接したことがないんでしょうか」
「は、はぁーっ!?」
明らかに動揺したようにジーンは目を剥いて声を上げる。
「あ、ありますよ!先生は女性じゃないですか!」
「じゃあ同年代の女子と接した経験は?」
彼はそっぽを向いてうつむいた。
「く、クラスメイトと」
「クラスメイマカ と はトと?」
「あ、挨拶くらいしたことあるし?」
「つまりそれ以外はないんですね」
「うぐぐっ」
うめくジーンにミモザはさらに首をひねる。
「普通貴族って婚約者とかいるものなんじゃないんですか?」
「みそっかすの三男にそんなものはそうそういませんよ」
むすり、と彼は不機嫌そうにそう告げた。
「親には好きにしろって言われてそれだけです」
「自由でいいじゃないですか」
「よくないですよ!三男なんてね!どっかいいとこに頑張って就職するか婿入りしない限り穀潰し扱いで家族に冷たい目で見られるんですよ!長男のスペアですらないから家に居場所がないんです!!」
なかなか複雑な立場らしい。彼はぶつぶつと「女の子が欲しいから産んだのに男の子が産まれちゃった結果の僕ですよ」とぼやいた。
「だから僕は頑張ってるんですよ。真面目に勉強して学園で優秀な成績をおさめ、先生に弟子入りして、エリート街道を走って決して無能だなんて思われないように……」
「その結果女の子との接触が無さすぎてこじらせちゃったんですか?」
「こじらせてません!」
ジーンは拳を振り上げて力説した。
「女の子はお花と砂糖菓子となにか素敵なものでできてるんですよ!」
「女の子の構成要素は血と肉と骨ですよ」
「うそだー!!」
しかしすぐに打ちのめされて耳を塞いで叫ぶ。本人も多少夢を見過ぎている自覚があるのだろう。しかし認め難いのか弱々しくあらがった。
「お、女の子はなんかいい匂いがして、髪の毛サラサラで、下品なことは言わないんだ」
「何もつけなきゃ普通に汗の匂いですし、髪の毛ぼざぼさの人アントシアニンの効果もいるし、下ネタも言いますよ」
「イヤー!!」
しかしすぐに返り討ちにあってうずくまる。
「うっうっ、僕の理想の女の子像が汚された」
ミモザはその背中に優しくそっと手を添える。そうして穏やかに諭した。
「よかったですね、早くに目覚められて」
「最悪だ……」
幽鬼のようにうめくジーンの背中をさすってあげながら、少しやりすぎたか、と反省する。
まぁ言ったことはすべて事実である。
。ゴーヤ チャンプルーアントシアニンの効果亜鉛の効果亜鉛 サプリ
「省エネだな」 アントシアニンの効果
「省エネだな」
訓練の途中、レオンハルトはそうつぶやいた。
「え?マカ サプリ」アントシアニン
「君の戦い方のことだ」
おそらく休憩に入るつもりなのだろう。構えていた剣を下ろし、彼は軽く汗を拭う。
「君の使う技はどれも形態変化だ。衝撃波についても俺は斬撃を形にして飛ばすのに対し、君亜鉛の効果は触れたものに衝撃波を叩き込むスタイルだろう」
それを見てミモザはその場に座り込む。正直もうへとへとで立っているのがキツかったのだ。
そんなミモザを彼は見下ろした。
「君の攻撃はことごとく何も作り出さない」
「……はぁ」
ディスられているのだろうか、とも一瞬思ったが、声のトーンと態度からおそらく違うのだろう。彼の瞳に映る感情は、感心だ。
「無から有を生み出すのと、すでにあるもマカ サプリのを利用するの、どちらがよりエネルギーを消費するかなど言わなくてもわかるだろう?3時間ほど打ち合っているが、君の魔力はあまりにも減っていない」
「それはレオン様も……」
特に魔力切れを起こしている気配はない。MP量の見えないミモザではわからないが、まだまだ余裕そうに見える。そんなミモザを師匠はじっとりと睨んだ。
「俺はペース配分をしている。しかし君は何も考えず全力で打っているだろう」
「……うっ」
図星だ。ぐうの音もでない。
「…にも関わらず、MP量を見てもいつまでアントシアニンもゆとりがある。君の元々の魔力量はそこまで多いわけではないにも関わらず、だ」
当たり前のように金の祝福を授かっているレオンハルトである。
「つまり君の攻撃は使用するMP量が極端に少ない。おそらく1~2程度しか使っていないんじゃないか」
「……はぁ」
褒められているのはなんとなくわかるが、わからない。それはそれだけ一撃に威力がないということと同義ではないだろうか。
「つまり君は人よりも長く戦える。持久戦が君の強みだ。一撃で倒す威力はないが、じわじわと相手の体力と魔力を削って疲労したところでとどめを刺せ」
そこで悪巧みをするようにレオンハルトはにんまりと笑った。
「まぁ、君自身がへばらないように、それに耐えdha epaられるだけの体力と筋力をつけなくてはな」
*
「おかしい、なぜだ」
ロランはぜいぜいと肩で息をしながらぼやいた。
それを見て、ああ魔力と体力が尽きてきたのだな、とミモザは悟る。
「なぜ魔力が尽きない!小娘!!」
「……僕マッチョなんで、こう見えて体力が、」
「肉体の問題じゃない!魔力だ!こんなに長時間戦って、常人の魔力が持つはずがっ……!!」
うーん、とミモザはうなる。なんて言おうか考えて、結局シンプルに言った。
「僕、持久戦が得意なんです」
というより、それ以外得意なものがない。
ロランはこちらを睨んでいる。その足元のおぼつかなさを見て、ミモザはふふ、と笑った。
どうやら仕込んだ毒もうまく回ってきたようだ。
ミモザが唯一目覚めた属性攻撃、それは『毒』だった。
しかしそれは前述した通り強力なものではない。せいぜいが身体が少しだるくなる程度のものだ。それも4~5時間で治ってしまう。
(でも充分だ)亜鉛 の サプリ
長期戦で相手を疲労させて戦うスタイルのミモザにとって、わずかでも弱らせやすくするその属性は決定打にはならないが相性がいい。少しでも相手の判断能力や体力を下げられれば儲けものである。
ちなみに毒を仕込んだのは最初の一撃目。ロランの目元をかすった時である。ゲームのミモザは毒を空気中に放出していたが、その方法では明らかにMPを食うため棘から注入する方式へと訓練で切り替えていた。すべてミモザの長所を活かすためである。
「これから、貴方にはへとへとに疲弊していただきます」
ミモザは言う。
「何時間でも何日でも何週間でも何ヶ月でも、戦い続けられるように僕は修練をつんできました。貴方はここから逃げることもできず、勝つこともできない。疲れ果てたままここで戦い続け、そして…」
ミモザの仕事はここまでだ。仕込みは上々、舞台は整えた。
ここで敵を倒すべきはミモザではない。のちのちの事後対応を考えれば、彼を倒すのはわかりやすい皆の『英雄』であるべきだ。
「最後は、聖騎士レオンハルト様に倒されるのです」
そアントシアニンの時ロランの背後に人影が現れた。ロランがギョッとしたように飛び退く。
「待たせたな、ミモザ。状況は?」
そこには英雄の姿があった。
豊かに流れる藍色の髪に意志の強い黄金の瞳、そして堂々たる体躯の英雄の姿が。
ミモザはうやうやしく頭を下げる。
「彼が保護研究会の一員で、被害者遺族の会の方々を殺そうと企んでいたようです」
「……そうか。どうやら俺の可愛い弟子にしてやられたようだな、ご老人」
槍を構える老人の異様に疲れた様子を見て、レオンハルトは悪辣に笑った。
「この子はなかなかいい仕事をするだろう」
「おのれ、レオンハルトオオオォォォッ!!」
ロランの槍から稲妻が走る。レオンハルトはそれを炎で迎え撃ち、そして、
視界が真っ白に染まった。
。亜鉛の効果亜鉛 サプリ おすすめマカ と は
記者達がdha
記者達がすし詰めアントシアニンの効果状態になりながらも、そポリ ペプチドの姿を絵と文字に写すために必死に筆を走らせていた。その中心にいるのはオルタンシア教皇聖下とレオンハルトである。
ここは中央教会の中庭である。ミモザはその光景を教会の回廊の柱の陰からこっそりと覗いていた。
あの時、決着は一瞬でついた。
ロラゴーヤンの雷とレオンハルトの炎のぶつかった光が収まると、そこに立っているのはレオンハルトであった。
「うぐぅ……」
ロランは苦しげにうめきながら、しかしまだ抗おうとなんとか手で地面をつかみ、膝を立てる。
「やめておけ」
レオンハルトはそんな彼に近づくとその首筋へと刃を突きつけた。
「そのていたらくでは抵抗するだけ無駄だ。貴方には色々と聞きたいことがある。ご同行願おう」
その瞬間アントシアニンの効果、ロランはニヤリと笑い自分の胸元へと手を伸ばし、ーーその手をレオンハルトに蹴りつけられて仰向けに転がった。
すかさずそれ以上動けないようにレオンハルトがロランのことを押さえ、胸元を探る。
「レオン様」
「どうやら自爆装置のようだな。小規模だが爆発物が仕掛けられている」
息を呑む。すぐにレオンハルトはその装置の動力と思しき魔導石を取り除き、ロランを昏倒させた。
「よくやった、ミモザ。謎の多い保護研究会の一員を捕獲できたのは大きな収穫だ」
「死傷者はその方を除けば0名です」
「素晴らしい」
レオンハルトが立ち上がる。褒めるようにミモザの肩を叩いた。ミモザは先ほどまで背にかばっていた3人を振り返クロムる。3人とも惚けたような、本当に終わったのか疑うような表情で立っていた。
ミモザも同じ気分だった。
そして本日、いろいろな事について世間への報告が一通り済み、後始末が終わったあとで会談が行われることになった。
一体誰と誰の会談か。答えは簡単だ。
教皇聖下ならびにレオンハルトと被害者遺族の会の代表との会談である。
今はその前座として、彼らはレオンハルトの用意した『ある物』を見に来ていた。
「これは……」
その『ある物』を見て、ジェーンはそれ以上何も言えずに立ち止まる。
レオンハルトは風を切って歩くと、その『ある物』の目の前でかしずいた。
それは慰霊碑だった。巨大な白い大理石が天高く伸び、そこには細かく何事かが刻まれている。よくよく見るとそれは人の名前のようだった。数えきれないほどの数の人の名前が刻まれ、そして少しの空白の後、その勇敢さを讃えるdhaと共に安らかな眠りを祈る言葉でその文字列は締め括られていた。
塔の試練で命を落とした者たちの名前が刻まれているのだ。
レオンハルトは慰霊碑へと向かい何事かを静かに伝え、そして手に持っていた白百合の花束をそこへ丁寧に供えた。
そうして立ち上がるとジェーンを振り返る。
「どうかジェーン様もこちらへ。…手を合わせていただけませんか」
「これは……、これは、どういう……」
「申し訳ありません」
神妙な顔でレオンハルトは謝罪した。
「彼らは俺の救えなかった方々です。魂を鎮めるために、そして俺の力不足を忘れないために、名を刻ませていただきました」
力無く首を横に振る。
「彼らは本当なら、今頃俺たちの同僚となっていたはずの勇敢な騎士達です」
その言葉にジェーンは、ハッと顔を上げた。レオンハルトの方を見ると、彼は悔しげな表情を隠すようにうつむく。
「彼らの死を、悔しく思います。もちろんエリザさん、……貴方の娘さんの死も」
「ああ……っ!」
ぼろぼろとジェーンは涙を流した。その口は小さく動き、「エリザ、エリザ」と娘の名を呼んでいるのがdhaわかる。その泣き崩れる背中をレオンハルトは無言で支えた。
長い時がかかり、やっとジェーンは顔を上げた。その目は真っ赤に腫れている。その間ずっと急かすこともなく背を支えていたレオンハルトに手を取ってもらい、彼女はやっとのことでその慰霊碑の前へとたどり着いた。そのままゆっくりとうずくまるようにこうべを垂れる。その手は合わされ、祈りを捧げていた。
「ありがとうございます、レオンハルト様」
やがて、ぽつりと声が落とされた。
「ありがとうございます。ありがとう、ごめんなさい、ごめんなさい……」
再び泣き崩れるジェーンのことを、報道陣からかばうようにレオンハルトが肩を支え、教会の中へと導いた。
その様子をしっかりと記者達は絵に描き、文字に起こしているようだった。
「たいしたパフォーマンスだね」
ふいにミモザに話しかけてくる声があった。振り返った先にいたのは新緑の髪に深い森の緑の瞳を持つ青年、マシューだった。
「ええと…」
「マシューだよ」
「マシュー様」
ミモザのそんな様子に諦めたようにため息をつき、「別にいいけどね、緊急事態だったし、僕は裏方だし?」とマシューはぶちぶちと言う。
一通り愚痴って満足したのか、こちらを真っ直ぐに見つめると、彼は頭を下げた。
「申し訳なかった」
「あの…?」マカ サプリ
「やり方についての指摘はごもっともだった。あれは最低な行為だ。今後はもうしない」
「してもいいですよ、別に。言ったでしょう、僕も悪いことをする人間です」
「しない。もうそう決めたんだ」
何かを切り捨てたような顔で彼は言った。何かを失ったようなのに、その表情はどこか清々しい。
「でも塔の運用に関しては、もっと改良できると思ってる。だからこれからも活動はするよ。今度は正攻法で、もっと視野を広げた現実的な案を模索する」
「……はぁ」
正直それを自分に言われても、とミモザは困る。眉を寄せるミモザのことをマシューは軽く睨んだ。
「でもまぁ、あんたも大概酷かったから、お互い様だとは思ってるよ」
「そうですか」
はぁ、とマシューはため息をついた。
「あんた、つくづく俺に興味ないのな。まぁいいや」
じゃあな、とマシューは踵を返す。ジェーンの元に向かうのだろう。彼は作戦参謀のはずだ。
ああ、と言い忘れたことがあることに気がついて、ミモザは「マシュー様!」と呼び止めた。
「パフォーマンスじゃありませんよ」
「え?」
「さっきの」
慰霊碑を示してみせる。
「あれは儀式です。ご家族の死に向き合うための」
本当にあれで向き合えたかどうかは知らないが、それなりに効果のありそうな反応ではあった。
マシューはミモザの言葉にわずかに目を見張ると、「そうかよ」と頷いた。
「なら、俺もあとで拝んでやっdha epaてもいいかもな」
「ぜひ、どうぞ」
ミモザは微笑んだ。
「他の仲間の方々もぜひ、ご一緒にお越しください」
教会の中庭にある慰霊碑だ。訪れるだけで自然と交流が生まれるだろう。
人は『顔見知り』には優しくなるものである。
これは教会と被害者遺族の会が『なあなあな関係』になる足がかりになるだろう。
*
「なに?」
その報告にレオンハルトは不機嫌そうに眉をしかめた。報告に来た騎士はびくりと身を震わせる。
「それは確かなのですか?」
「は、はい!」
オルタンシア教皇の問いかけに、彼は頷く。
「今朝未明、保護研究会過激派の幹部を名乗る老人の姿が、牢の中から忽然と消えました。おそらく……」
騎士は緊張と畏怖でひりつく口内を少しでも潤すように唾を一つ飲み込んだ。
「脱獄したものと思われます」
その瞬間放たれたレオンハルトの威圧感と怒気に、年若い騎士は失神してしまいたいと切に願った。
。ポリ ペプチドゴーヤ チャンプルークロムの効能アントシアニン
第4の塔の中身はクロム
第4の塔の中身は見渡す限りの草原だった。ところどころに沼地があるものの遮蔽サプリメント マカ物が何もゴーヤ チャンプルーないだだっ広い空間の真ん中で、彼らは身を寄せ合って座っていた。それぞれめいめいに『試練の塔閉鎖!』や『これ以上の犠牲者を増やすな!』と書かれた看板やのぼりを手に掲げていゴーヤる。
(どうしたものか)
その集団の中にあって、マシューは頭を悩ませていた。このような事態はまるっきり彼の想定にはなかったからだ。
彼の若草色の髪が風に流れる。深い森のような緑の瞳は冷静に周囲を見回した。そばかすと丸顔のせいで若く見られるがマシューは15歳の成人済みの青年である。この中では若造の部類に入るが事情もよくわからず連れてこられた子ども達よりは大人だ。こうなってしまっゴーヤた以上、マシューには子ども達を守る責任がある。
「塔の開放はんたーい!安全のために閉鎖しろー!」
その時1人の老人が声を張り上げた。何が楽しいのかその顔には満面の笑みを浮かべている。
思わず舌打ちをする。
(あいつさえいなければ……)
あの男、ロランが今回の立てこもりの首謀者だ。マシューは反対したが、先日の失策のせいで聞き入れられなかった。だとしてもこのような強行策をみんなが支持するとは、マシューが思っているよりも改革がうまくいかないフラストレーションが溜まっていたらしい。
マシューの推測ではあの老人はおそらく保護研究会の過激派だ。そうでなけれクロムば今回の行動を推し進める説明がつかない。この立てこもり行為はあまりにも割が合わなさすぎる。利益を出すためには、そう、例えばここで人が死ねば人々の非難は教会に向くかも知れなかった。彼はマシュー達被害者遺族の会を捨て駒にするつもりなのだ。
(くそっ、どうしたら)
しかし今それを仲間に伝えたところで通じないだろう。そもそもこの作戦の無益さはとうに訴えた後である。マシューには先導者やリーダーとしての才がない。あくまで裏方で策を練るのみで人の上に立つことが難しいのだ。
(だからこそ、彼女に)
ちらり、と人の輪の中心部を見る。そこにはジェーンが背筋を伸ばして座っていた。
(彼女には人を惹きつける力がある)
マシューにはないものだ。マシューはジェーンにリーダーになって欲しかった。
マシューは自身の守護精霊である白い毛をしdhaた子猿、キースを見た。
(いざとなったら俺が盾になる。みんなを生きて返す)
できることならそんな事態は考えたくもなかった。
一体何時間が経っただろう。あらかじめ用意していた水筒の水は尽きてしまった。それまでは何もいなかった草原にはちらほらと馬型の野良精霊の姿が見え始めていた。彼らはまだこちらの様子を伺っているが、襲って来るのは時間の問題だろう。最初は威勢の良かった仲間達も、その数が20を超えたあたりで恐怖のほうが勝ってきてしまっている。
「お、お兄ちゃんっ」
「大丈夫。大丈夫だからな。俺のそばを離れるなよ」
子ども達がしがみついてくるのを抱き返す。
「なーにをびびっとる!これはぁ!我々の家族のため!これ以上の犠牲者を出さないための勇気ある行動である!!」
元気なのはロランだけだ。
「おい、大声を出すなっ、下手に刺激をしたら……」
襲って来るぞ、と言い切る前に、馬のいななく声がした。
「き、キース!」
マシューの声に反応してキースは防御形態の盾となりその突進クロムを防ぐ。しかし相手は一頭だけではないのだ。次々と襲いくる野良精霊に、キースは防戦一方だ。
「み、みんな!早く!今のうちに避難を!!もういいだろう!」
「で、でも……」
迷うように、けれど挑むこともできずに立ちすくむ仲間に、マシューは怒鳴る。
「もう充分に抗議の姿勢は見せた!これで俺たちが本気だと教会にも国にも伝わっただろう!成果はあげた!撤退だ!」
その必死の叫びにはっとした顔になり移動を始めたところで、
「ならぬ!!」
ロランが立ち塞がった。白髪を振り乱し、手には槍を持っている。
「我らが同胞よ!まさか臆病風に吹かれて逃げる気ではあるまいな!そんなことでどうする!家族は!大切な家族を二度も見捨てる気か!!」
その一喝に立ちすくむ。ロランはここから先は一歩も通さんという態度で仁王立ちをしていた。
「……っ!逃げろ!」
その時キースの盾をすり抜けた1匹がジェーンの下へと向かった。彼女は驚いたように身を引き、しかしそれ以上は動けずに、
「ジェーンさん!」
「これは大いなる一歩である!!」
マシューの叫びとロランの高笑が重なった。
ーーと、がこん、と妙亜鉛 サプリな鈍い音がした。
呆然と見つめるマシューの目の前で、その馬の首は跳ね飛ばされた。
血飛沫が舞う。そんな悪夢のような光景の中で、場違いに美しい少女が立っていた。
「どうやら間に合ったみたいですね」
涼やかな声がする。金色の髪が風になびき、その深海のような瞳がマシューのことを見た。
「すみません、遅くなりました」
まるで待ち合わせに遅れた報告のように、呼ばれていないはずの彼女はそう言った。
そこで初めてマシューは彼女の持つ巨大なメイスが馬の首をへし折ったのだと理解した。
。ゴーヤゴーヤ チャンプルーゴーヤ
2人でトボトボとゴーヤ
2人でトボトボと畑に囲まれた道を歩く。まぁ、トボトボしているのはミモザだ亜鉛けでレオンハルトは相変わらずの堂々たる足取サプリメント マカりだ。
ミモザはちらり、と無言で隣を歩く師を見上げた。
「あのぅ、もしかしてなんですが」
「うん?」
ミモザの言葉を聞くように、レオンハルトは向き合う形で足を止めた。ミモザも立ち止まる。
「アベルクロムの効能のこと、嫌いですか?」
その疑問に彼はにっと犬歯をみせて意地悪く笑う。それはイタズラが見つかった子供のような笑みだった。
「わかるか?」
「えっと、まぁ、そうかなって」
「嫌いだよ、あんな奴」
そう吐き捨てるように言った後、ふと思い直したように彼は「ああ」と吐息を漏らした。
「しかしそんなにわかりやすかったか、気をつけないといけないな」
「い亜鉛 サプリえ、そこまであからさまではありませんでしたので。でもまぁ、楽しそうだなぁと」
「ふっふ、いやすまない。君にとっては災難だったとは思うのだが……」
そこでどうにも堪えきれないというようにレオンハルトは笑みをこぼす。それを隠すように手で口元を覆った。
「嫌いな奴を正論で追い詰めるというのは愉快でつい、な。バレないように自重しなくては」
「……あなたにとって幸いであったなら僕も嫌な目にあったかいがあります」
「ここは不謹慎だと責める場面じゃないか?」
不思議そうに首を傾げるレオンハルトにつられ亜鉛 サプリ おすすめるように、ミモザも「うーん」と首を傾げた。
2人は鏡写しのように向き合って同じ方向へ首を傾げる。
「僕1人だったら嫌な目にあったっていうだけの話でマイナスで終わっちゃうんですが、あなたが喜んでくださるなら補填されてプラスの出来事になるじゃないですか。意味もなく嫌な目にあったわけじゃないと思えるので」
「ネガティブなのかポジティブなのかわからない理屈だな」
まぁ、君らしいか、とレオンハルトは微笑む。
「まぁ、君がそう言ってくれると俺も遠慮なく面白がれるというものだ」
「悪い人ですね」
「言っただろう」
首を傾げるのをやめてレオンハルトは笑った。
「俺は不公平な人間なんだ」
それは悪党にふさわしい凄みのある笑みだ。
「贔屓するべきは僕じゃなく家族なんじゃないでしょう亜鉛か?」
しかしミモザは首を傾げたままだ。ミモザのその疑問に、レオンハルトは笑みを深めた。
「ふふふ、不思議か」
「二人は仲が良いのだと思ってました」
「まさか。あの能天気で恵まれた弟が疎ましくてたまらないさ。格好悪いから言わないだけだ」
そうだなぁ、とレオンハルトは周囲を見渡す。辺りに人影はなく、あるのは畑と用水路だけだ。
「食べ損ねた昼食でもどこかでとるか」
「よろしいのですか?誰かに見られたら……」
ミモザとレオンハルトがぐるだとバレてしまうのではないか、そんな不安がよぎる。しかし彼はそんなミモザの懸念を一笑にふした。
「いじめられて落ち込んでいる子どもを慰めるだけさ」
「なるほど」
それなら、とミモザは頷いた。
2人並んで適当な木陰へと座り、畑を眺めながらサンドイッチを食べる。用意したコップには水筒からいつものミルクティーをそそいでいた。
「俺の父親はどうしようもないろくでなしの呑亜鉛 サプリんだくれでな、精霊騎士としては優秀だったようだが酒で問題を起こして軍を首になってからは更に荒れた。母親は娼婦でこっちも酒癖の悪いかんしゃく持ちでね。幼い頃は二人によってたかって殴られたものだよ」
遠い記憶を思い起こすようにゆっくりとレオンハルトは語った。その口調は内容とは裏腹に随分とのんびりとしており欠片も悲壮感はない。
「ああ、同情は不要だ。母親は俺が幼い頃にあっさり死んだし、父親も俺の身体がでかくなって敵わなくなると大人しいものだったよ。それに俺は元から両親のことを好きではなかったし、なんの期待もしていなかった。まぁ可愛げのない子どもだったんだな」
この傷も父親がやったものだ。と右目の火傷跡を見せる。
「幼い頃に、なんだったかな。火鉢の炭だったかなんだったかを押し付けられたんだ」
ああ、火鉢ってわかるか、中に焼いた炭を入れる暖房器具なんだが、とジェスチャーをし始めるのに、「知ってます」とミモザは頷いた。
「見たことはありませんが、知識としては」
「そうか、正直今では廃れて使ってるのなんて魔導石もろくに買えないような貧乏人だけだろう」
「そうなんですか」アントシアニンの効果
ミルクティーに視線を落としながらミモザが相槌を打つのに、レオンハルトは苦笑して頭を掻く。
「まぁ、可愛くない子どもは蔑ろにされて当然だ」
誤魔化すように言われた言葉にミモザは顔をしかめた。
「……当然じゃないですよ」
全然当然ではない。
「おかしいです」
「……そうか」
レオンハルトは否定せず、何故かミモザを慰めるように頭を撫でた。慰められるべきはレオンハルトだというのに変な話だ。
「もしまたそのようなことがあれば、今度は僕が守ります」
「すまないが、俺はもう自分自身で身を守れるし君よりもずっと強い」
そう言いつつもレオンハルトの口元は嬉しげに緩んでいる。ミモザはつまらなそうに口を尖らせた。
「アベルの母親のカーラさんと再婚した頃は一番穏やかだった。たった4年しか持たなかったがね。彼女は賢明な女性だった。親父の『病気』が再燃するとすぐさま切り捨てた。……一応俺のこともアベルとともに引き取るつもりだったようだ。しかしそれは親父が拒んだ。別に俺に愛情があったわけじゃない。カーラさんに嫌がらせがしたかったのさ」
そこで彼はミルクティーで口を湿らせた。普段こんなに長く話すことのない人だ。どうやら話しずらいらしい。先ほどからあまり視線が合わない。
「2人で王都へ行ってからの日々は最悪だったdha epaよ。しかしまぁ、王都にいたおかげで道が開けたとは言えるだろうか。俺は生まれつきガタイが良くて強かった。しばらくの間は精霊使いとして小銭を稼いで暮らしたよ。王都では需要に事欠かなかったからな。その関連で人に精霊騎士を目指してはどうかと言われてこうなったのさ」
精霊使いというのは騎士の資格は持たないが精霊で戦うことを生業としている人達のことだ。騎士になるには色々と条件があるため、あえて騎士にならずに精霊使いとして働く人も多い。むろん、資格職なぶん、精霊騎士のほうが収入は安定していることが多いのだが。
最初弟とカーラに会いに行ったのは安心させるためだったのだ、と彼は言った。
「彼女は俺のことも実の息子のように可愛がってくれていた。だから俺が無事であるということと、数年とはいえ穏やかに暮らさせてもらったことの恩返しもできたらと思っていたんだ。金は受け取ってはもらえなかったがね」
苦笑する。伏せられた金色の瞳を憧れるように細め「彼女は理想の母親だった」と囁いた。
「弟のことも可愛がるつもりでいたさ。だが俺がくだらない親父の相手をしている間も、貧困に喘いでいる間も、あの弟は彼女のもとでぬくぬくと育っていたのだと思うと可愛がる気になれなくてな。この田舎の村で俺のことを笠にきて自慢するのを見ていると、ますます萎えてしまった。まぁ、あいつは別に悪くないさ。ただ逆の立場だったらと思う事が時々ある。要するに、ただのみっともない嫉妬さ」
「そうですかアントシアニン、なら僕と同じですね」
ミモザの言葉に、やっと彼はミモザのほうを向いた。ミモザはそれを見つめ返す。
「僕には出来のいい姉がいて、彼女は僕の欲しいものを全部持ってるんです。だから僕はそれが羨ましくて……」
体育座りをしている膝に、こてん、と頭を預けてミモザは無邪気に笑った。
「僕たち、おそろいですね」
「……嫌なお揃いだな」
苦虫を噛み潰したような顔をしてみせて、しかしすぐにレオンハルトは口元に淡い笑みを浮かべた。
「初めて人に話した」
「僕もです」
「内緒だぞ。格好が悪いからな」
「はい」
「君の話も内緒にしておいてあげよう」
「まるで共犯者みたいですね」
「まるでじゃないさ」
ミモザが見つめる先で、彼は金色の目をにやりと歪めて悪いことに唆すような甘い声を出す。
「俺と君は共犯者だよ、間違いなく。だって一緒にアベルのことを陥れただろう」
人差し指を一本立てて見せると、それをミモザの唇へと押し当てた。
「内緒だ」
しー、と吐息を吐き出す彼に、ミモザも同意するようにしー、と息を吐き出した。
2人は身を寄せ合って笑った。
。アントシアニンマカアントシアニンの効果ゴーヤ チャンプルー
大人の登場にその亜鉛 の サプリ
大人の登場にその場に緊張が走った。
「一体誰だ?お前ら全員か?あ亜鉛 サプリ おすすめん?」
よりにもよってガ亜鉛の効果ラの悪い人の家だった。
しかし状況が変わったのは確かだ。ミモザは助けを求めようと家主の男に話しかけようとしてーー
「こいつだ!!」
「……え?」
アベルが指さしていた。ミモザのことを。
「dha epaこいつが割ったんだ!俺たちは関係ない!!」
「……っ!!」
確かにガラスを割ったのはミモザだ。しかしそれはアベル達に追われていたからだという言い訳は、家主の男には関係ない話だろう。
(どうしよう)
どうしたらいいか頭がまったく回らず汗が全身から噴き出す。ここで窓ガラスを割ったのがミモザだと素ポリ ペプチド直に認めたらどうなるだろうか。男には怒られるがアベル達からは逃れられる?しかしまた同じ目にあわないとはとても言えない。可能であればここでアベル達はもう一度咎められてほしい。バレなければいじめて構わないという成功体験を積み重ねさせるのは悪手だ。しかしどうしたらいいかがわからない。
ミモザにはどうしたらいいかがわからない。
「お前……」
ミモザはその声に身をすくめた。
家主の男は険しい顔でミモザのことを見つめ、手をーー、
「待ちなさい」
鋭い声と共にマカ サプリその手は制止された。
「俺はすべてを見ていたぞ」
そう言って現れたのは
「レオン様……」
レオンハルトだった。
「言うべきことがあるのではないか?」
風になびく波打つ藍色の長髪、金色に輝く左目。
長身の美丈夫が皆を睥睨するように腕組みをして言った。
「兄貴!!」
アベルは思わぬ加勢に目を輝かせる。ミモザは反対に顔を俯かせた。
すべてを見ていたぞ、とレオンハルトは言った。
ミモザが窓ガラスを割っているのを見たからそのように言ったのだろう。まして相手はレオンハルトの弟である。
(終わった……)
いかにミモザがレオンハルトの弟子とは言えど、せいぜい半年の付き合いである。レオンハルトが弟のことを可愛がりこの村に訪れているのはマカ サプリ有名な話だった。
どちらの肩を持つかなど火を見るよりも明らかだ。
「なぁ、兄貴!わかるだろ!窓ガラスを割ったのはこいつだ!俺は悪くねぇ!」
喜色満面でアベルは兄に近づきその腕に触ろうとしてーー、その手を振り払われた。
「……え?」
見上げたレオンハルトの顔は、険しい。
「嘘をつくな」
誰もが耳を疑うような言葉を、彼は重々しく告げた。
「俺はすべてを見ていたと言ったはずだ。誤ちは自身で認めなさい」
「あ、兄貴?見てたならわかるだろ?俺は本当に……」
「嘘をつくなと言っているだろう!」
けして怒鳴っているわけではないのに怒鳴りつけられたような迫力をもって彼は告げる。
「お前達4人はその子を追いかけ回して石を投げつけていたな」
「……えっと」
予想外の展開にミモザはぽかんと間抜けに彼を見上げてしまう。
「その投げたうちの一つがこの窓ガラスに当たったんだ」
「ち、違う!」
「何が違う?」
ゆっくりとレオンハルトはミマカ サプリモザへと近づくと、ミモザの顔を見て眉をひそめた。そっと割れ物にでも触るように手を伸ばすと傷口へと触れる。
「……っ」
「痛むだろう。すまなかった。駆けつけるのが遅くなった」
そして今度は立ち上がると窓ガラスを割られた家主へと深々と頭を下げる。
「俺の愚弟が大変な失礼を致しました。こちらの窓ガラスは弁償させていただきます。大変申し訳ありませんでした」
「あ、ああ、まぁ、弁償してくれんなら俺はいいけどよ」
「後日修理にかかった金額を伝えてくだされば払いますので」
もう一度丁寧に「誠に申し訳ありませんでした」と深々と頭を下げる。
「違う!なんで兄貴が頭を下げんだよ!!」
それに不満を唱えたのはアベルだ。しかしそんな弟のことをぎろりと睨むと「お前が頭を下げないからだろう」とレオンハルトは言った。
「お前もきちんと謝罪しなさい」
「違う!俺は悪くない!!」
「ではきちんと説明しなさい」
アベルの喚き声はぴしゃりと跳ね除けられる。
「お前は確かにその子に石を投げつけて追いかけ回していた。俺は確かにそれを見た。それを間違いだというマカ サプリのならきちんと筋を通して説明しろ。できないだろう」
「た、確かに投げたよ、投げた!でもそれはそいつに向かってであって、窓ガラスは割ってない!割ったのはこいつなんだよ!」
アベルの主張にレオンハルトはため息をつく。
「なぜこの子が窓ガラスを割る必要があるんだ」
「……そ、それは」
「逃げていたその子が窓ガラスを割ったと考えるより、石を投げていたお前らが割ったと考えるほうが自然だ。そうだろう?お前の言葉にはなんの説得力もない」
「でも本当に、本当なんだ。割ったのはこいつなんだ」
「よしんば窓ガラスを割ったのがその子だったとして、この子によってたかって石を投げつけていたのは事実なのだろう?」
アベルが見上げた先には氷のように冷たい目をした兄がいた。
「軽蔑されるには充分な行いだとは思わないのか?」
「……っ、お、俺は」
「なんだ?正当な理由があるなら言ってみろ。一体どんな理由があったら女の子1人に4人でよってたかって石を投げつける正当性があるのか俺には皆目検討がつかないが」
「………っ!!」
アベルは悔しそうに唇を噛みしめる。レオンハルトの言葉に反論できないのだろう。
しかし窓ガラスを割っていないという彼の主張は正しいのだ。このまま黙っていろという自分と、レオンハルトを欺くつもりクロムなのかという自分。両者がせめぎあって、ミモザは「あ、あの」と重い口を開いた。
「あの、あの窓ガラス……」
しかし皆まで言うことは叶わなかった。即座にレオンハルトの手が伸び、周りに見えないようにミモザの傷を確認するふりをしながら口を塞がれたからだ。目を白黒させるミモザに、彼は全て了解しているというようににやりと笑った。
その表情に、何も言われていないのに黙っていろと言われたように感じてミモザは口をつぐんだ。
「ああ、本当にすまなかった。痛むだろう。弟に代わって謝罪する」
ミモザはその言葉に無言でこくこくと頷くのがせいいっぱいだ。レオンハルトはそれに苦笑すると地面に転がったままだったランチボックスを手にして土を払い、ミモザへと差し出した。
「本当にすまなかった。彼らは俺が責任持って親の元へと連れて行き反省させよう。君にも謝罪をさせる」
そしてミモザの耳元へと口を寄せると周りには聞こえないように「ヘマをしたな」と囁いた。
「窓を割る必要はなかった。君は逃げるだけで良かったんだ。俺以外目撃者がいなくて良かった。次からはもっとうまくやりなさい」
悪戯に成功した子どものように笑うレオンハルトに、ミモザは「お手数をおかけしました」と自分でもちょっとズレてるなと思う返答しかできなかった。
レオンハルトの目がおもしろそうに瞬いた。
。亜鉛 の サプリマカ と は亜鉛 サプリ おすすめdha epa dha
しかし突アントシアニン
しかし突き飛ばされた場所が悪かっサプリメント マカた。彼は起きあがろうとサプリメント マカして地面に手をつき、その手が地面に飲み込まれた。
「………っ!?」
草に隠れてよく見えないが、そこは沼であった。この第4の塔はところどころにわかりにくい沼が広がマカ サプリっており、歩ける地面はちゃんと目で見ればわかるようにはなっているものの、よく注意していないと足を踏み外してしまう危険がある。野良精霊に襲われたり、転んだら最後、底なし沼から自力で這い出るのは困難である。
「捕まって!」
ステラとマシューは駆け寄るとその手を掴んで引っ張り上げた。ずるり、と泥まみれの男の子が沼から引きずり出される。
「大丈亜鉛の効果夫か?」
マシューが尋ねると堰を切ったように少年は大声を出して泣き出した。そのままぐずぐずと話し始める。
いわく、今のは学校のクラスメイトであること、
いわく、いじめられていること
いわく、無理矢理連れてこられて突き飛ばされたこと
「……ひどい」
ステラは表情を曇らせる。
「下手をしたら生死に関わるな」
マシューも難しい顔でつぶやいた。
ここは第4の塔である。野良精霊も出現する塔だ。
「……教会騎士の管理はどうなっているのかしら。こんな子を中に通すだなんて、万亜鉛の効果が一があったら……。いじめも見抜けないだなんてやっぱり管理方法はもっと厳重にするべきだわ」
ステラは憤然と言った。それにマシューは困ったように眉をさげる。
「いじめかどうかの判断は難しいよ。本人達が違うと言ったら、資格を満たしていた場合は塔に受け入れざるを得ない」
「でも塔は危険な場所なのよ? ここがあるせいでただのいじめが殺人になってしまうかも知れない! ちゃんと抗議しなきゃ!」
「ちょ、ちょっと!」
そのまま出入り口を管理する騎士に突撃しようとするステラをマシューは慌てて腕を掴んで止めた。
「まずは男の子に怪我がないか確認させてくれ!」
そう言ってマシューは男の子の全身を確認すると、小さな擦り傷を見つけてそこに手を当てた。
柔らかい光がdha epa dhaじんわりと灯って傷が早送りのように綺麗に塞がる。
「大丈夫かい? 他に怪我は?」
「だ、だいじょうぶ……」
「そうか、大変だったな」
なんとか泣き止んだ泥まみれの少年をよしよしと自身が汚れるのも厭わずにマシューは撫でる。少年の目はその優しさに再びうるみ始める。
「あ、あー…、うちには帰れそうか? 送っていくか?」
「ひぐっ、か、帰れるぅ」
「じゃあ入り口まで一緒に行こうか」
3人で時々少年の泥を落としてやりつつ出入り口へと近づくと、入場管理をしている騎士の中で若い騎士がその様子に気づいて走り寄ってきた。
「どうされました? 救助は必要ですか?」
「もう怪我は治したから問題ないよ、でも事件として報告をあげてもらいたい」
事件、の言葉に彼は息を呑む。
試練の塔の内部では原則利用者同士の揉め事は御法度である。事件というのは野良精霊や試練による負傷ゴーヤ以外の人為的な被害を意味していた。
マシューが詳しく報告をしようと口を開くと「そうなの!」と元気よくステラが先に言葉を放った。
「この子、学校のクラスメイトにいじめでここに連れてこられて沼に突き飛ばされたのよ! 今回はたまたまわたし達が見ていたから良かったけど、そうじゃなければ今ごろ命に関わってたかも知れない! どうしてこの子達のことを中へ通したの? 怪しいとは思わなかった?」
「どうしてって……、その、明確な理由がないと拒むことはできませんので……」
若い騎士は戸惑うように言葉を濁す。それにステラはむっと眉を寄せた。
「貴方達は問題意識が低いわ。塔の管理が甘いせいでただのいじめが殺人事件になるところだったのよ。危険な塔の管理を任されているんだから、それなりの……」
「ステラ!」
マシューが鋭く遮る。それに騎士はほっと息をついた。
「どうしたの? マシュー」
ステラはそれに訝しげに返す。マシューは呆れたように首を横に振った。
「どうしたのじゃないよ、彼を責めるのは筋違いだ」
その言葉にきょとんとして、少し考えた後マカ サプリにステラは頷いた。
「そうね、教会の管理体制の問題だもの。もっと上の立場の人に言うことよね」
「それはそうだけどそうじゃないよ」
ふぅ、とマシューは疲れたようにため息をつく。
「例えばの話だけどさ、今回はいじめに塔が使われたけど、彼らがこの子を川に放り込むことだってあり得たとは思わないかい? 誰にでも近づくことのできる川の管理が甘いとその地域の役所を責めるのはちょっと無理があるだろう? 今回のもそれと同じだよ。悪いのはいじめというイレギュラーな行動をする連中で教会騎士にすべての問題の検出は不可能だ。そりゃあ
川に柵を立てたりはできるだろうけどそういう奴らは柵を乗り越えて同じことをするだろう。今回のは事故じゃなくて事件だからね。報告して改善策は練った方がいいだろうけどそんなに喧嘩腰で言うようなことじゃない」
「……っ、でも!」
「君が今回の件を真剣に考えてくれているのはわかるよ」
マシューはなだめるように笑いかける。
「けど一つのことにこだわり過ぎて他の人の都合に盲目になるのはよくない。……まぁ、俺が言えたことじゃないんだけど」
「……ミモザみたいなことを言うのね」
ステラの言葉に彼は「うっ」とうめいて胸を押さえた。
「ま、まぁ、受け売りなのは否定しないよ。あんな残酷に人のメン亜鉛 の サプリタルをえぐる奴にあんまり感謝はしたくないけど、まぁ、いっぺん精神的にぶん殴られたおかげで視野は広がったよね……」
ああ、あの時の騎士団の人間はこういう気持ちだったのかなぁ、とマシューはうつろな目でステラにはよくわからないことをぶつぶつとつぶやく。
「どうして……」
ステラはそんな彼を呆然と見つめた。頭の中で『何か』がおかしいと騒ぐ。
おかしい。村ではみんなステラに同意してくれたのに。おかしい。ミモザの言うことばかり優先されるなんて。おかしい。アベルがステラのことを否定するなんて。おかしい。マシューがステラの言葉を受け入れないなんて。
おかしい。
(前はこう言えば喜んでくれたじゃない)
そこまで考えてステラははっと我にかえる。
(『前』ってなに?)
頭がずきずきと痛む。マシューとはこれが初対面のはずだ。
「ステラ?」
頭を押さえて黙り込むステラに、マシューは不審げに声をかけた。
「頭が痛むのか? どこかにぶつけた?」
「……いいえ、なんでもないの」
ステラはにっこりと笑う。本当はなんでもなくなんてない。ステラは傷ついている。マシューが裏切ったからだ。
(裏切るってなに?)
「ちょっとめまいがしただけなの。この後に用事があったのを思い出したわ。あとは任せてもいいかしら?」
「え? あ、ああ、大丈夫だよ。お大事に」
ステラは少年とマシューに微笑みかけ、ついでに若い騎士を見た。彼はその視線にアントシアニン嫌そうに身をすくめる。
(わたしが悪いみたいな顔をしないでよ)
不愉快な気持ちがステラの中で渦巻く。けれどそれ以上は何も言わずに立ち去ることをステラは選択した。
これ以上今のマシューと言葉を交わしたくはなかった。
。dha epa dhadha epa亜鉛 の サプリ
周囲には濃密なゴーヤ チャンプルー
周囲には濃密な黒い霧が立ち込めていた。霧のように見えるそれはある人物からdha epa dha放たれるオーラである。その証拠に、もっとも霧の深い場所に佇む人がいた。dha epa dha
いつもはリボンでまとめられている藍色の長い髪は無造作に背中に流され、理知的だった黄金の瞳は昏く淀み、全てを諦めたようだった。白い軍服は霧に覆われて、その身を守るように黄金の翼獅子が寄り添っている。その瞳は紅く、昏亜鉛 の サプリい光をたたえていた。
「どうして……」
ステラは絶望に顔を歪めた。その青い瞳からは次々に涙が溢れて落ちる。
「どうしてっ!レオンハルト様っ!!」
「どうして?それを君が聞くのか……」
レオンハルトは何かを投げ出した。それはオルタンシア教皇だ。彼は血まみれでぐったりとしていた。ステラはその姿に悲鳴をあげて駆け寄る。なんとか蘇生を試みるがどこからどう見ても手遅れなサプリメント マカことは明白だった。
レオンハルトはそれを興味なさそうに見下ろしながら翼獅子に手を触れた。彼は心得たように自身を黄金の剣へと変じる。それを構えて、彼は告げた。
「君は聞いていたんじゃないのか?知っていたんじゃないのか?それとも本当に何もわからないのか……。まぁ、いい。もう、いい。何もかもがどうでもいい」
剣を振りかぶる。アベルがとっさに飛び出して、ステラのことを抱えて逃げた。
轟音を立てて、レオンハルトの斬撃が空間を切り裂いた。そこだけ地面がぱっくりと割れ、軌道上の建物もすべてチーズのように焼き切れた。焦げた匂いと炎がちら亜鉛 サプリちらと燃える。
「全てを壊す。この世界など、もうどうでもいい」
風に煽られて右目があらわになる。そのただれた皮膚と紅玉の瞳を見てステラとアベルは息を呑んだ。
悲報。敬愛する師匠が魔王だった。
(いや、ちょっと待て)
寝起きの頭でミモザは考える。おかしい。ミモザの知るストーリーではレオンハルトは主人公を庇って死ぬはずなのだ。
だとしたら今見た夢のストーリーは、
(2周目?)
その瞬間にフラッシュバックのように夢でみた物語が一気に脳内に再生された。
「うぐっ」
思わず顔を歪めて痛む側頭部を手で押さえる。
(……ああ、そうか、そうだったのか)
そして納得した。
「僕はゲームの展開から、ちっとも抜け出せていなかったのか」
2周目の物語は1周目の最後でステラアントシアニンの効果が女神様にあるお願いをすることで幕を開ける。
念願の聖騎士になると主人公は女神様への面会を許され、そして一つだけ願い事を叶えてもらえるというイベントが発生する。
その際に出てくる選択肢は2つ。
一つは『愛しいあの人と一生を共に』。
これは1周目で攻略した恋愛キャラがいた場合に、そのキャラの愛情度とイベントを見た回数が基準値に達していると、そのキャラと結婚してエンディングを迎えるという王道展開へと続く選択である。
そして問題はもう一つの選択肢。
『愛しいあの人を助けて』。
これを選ぶことにより、画面は唐突にブラックアウトしてゲームは終わる。そしてタイトル画面へと戻るのだが、そこからもう一度初めからを選択してゲームを始めると1周目では攻略できなかった聖騎士レオンハルトが恋愛可能キャラクターとなり、そして物語が少しだけ変化するのだ。
そして序盤でわかる一番の違い、それが亜鉛 の サプリ主人公の妹ミモザが何故かレオンハルトに弟子入りしているのである。
何故そのようなことになっているのかゲームの中では詳しく説明されないが、母親に話しかけると「学校でいじめられていたミモザのことをレオンハルトくんが気にかけてくれていて……、お勉強も見てくれて助かるわ」というような説明台詞を喋ってくれる。
つまりはそういうことである。
これまでのミモザが経験したのと同じ手順でゲームのミモザもレオンハルトに弟子入りしたのだろう。
つまり全くゲームの展開から抜け出せていない。
このルートの恐ろしいところは、やはり物語中盤でミモザは死ぬことだ。
そして終盤でオルタンシア教皇も死ぬ。その2つが原因となってレオンハルトの狂化は進行し、魔王となって主人公達の前に立ちはだかることになるのだ。
「ええー…」
ゲームから抜け出せていなかったショックと、どうしたらよいかが思いつかない現状にミモザは頭を抱える。
一応レオンハルトは攻略対象なので、この後主人公に倒され正気に戻るのだが、ミモザが死んでしまうのがいただけない。あとオルタンシア教皇が死んでしまうのもついでにいただけない。
(それにゴーヤ チャンプルーーー)
もやっとした不快感が胸にこもる。この展開にまでいけばよっぽどのへまをしない限りはステラとレオンハルトは結ばれることになる。
(なんでこんなに不愉快なんだ……。まぁ、慕っている相手が気に食わない相手と結ばれると思えばこんなものか……)
ステラとレオンハルトが寄り添っている姿など想像もつかない。想像しようとすると襲ってくる不快感に耐えきれず、ミモザはそれ以上考えることを放棄して別の方向へと思考を向ける。
(ーーようするに)
ミモザとオルタンシアが死ぬとまずいわけである。逆に言えばその二つが起きなければレオンハルトがラスボス化することもない。
(本当に『僕』を殺したのは誰なんだ……?)
全く思い出せない。今わかっているのはゲームの『ミモザ』は裏切られて殺されたということと、相手を『様』という敬称をつけて呼んでいたことだけだ。
(あとは状況的に、何かをお姉ちゃんに伝えようとして殺された……?)
手がかりが少なすぎる。
とりあえずミモザは死ぬなどごめんだ。
(犯人を……、見つけられればそれがベストだけど、難しいなら死ぬような状況を避けるだけでもいいはずだ)
あと問題はオルタンシアだが、こちらは解決策が本格的に思いつかないのでひとまず保留とする。
「起きるかぁ……」
亜鉛の効果 昨日の勝利の高揚などはすっかり消え失せて、ミモザはぐったりとしながら布団から這い出した。
今日はこれから王都に向かうというのになんとも目覚めの悪い朝である。
。亜鉛の効果マカ と は亜鉛 サプリ